大和統一

 天正5年、筒井順慶は織田信長の援助を受け、松永久秀を信貴山城に滅ぼし、大和を統一。 その年の秋に郡山に入り、奈良中の大工を招集して多聞山城の石を運ばせて郡山 城を築城した。
 入城したのは、天正8年のこと。その直前から郡山一体に市場ができ、毎月六斎市がたち、塩や木綿、魚などが商われるなど大変な賑わいをみせた。
郡山入城後も、信長や秀吉に従って各地に転戦するが、天正12年に36歳の若さで死去、伊賀へ国替えとなりました。


大納言秀長

 筒井家が去った後、郡山城を引き継いだのが豊臣秀吉の弟、豊臣秀長である。
秀長は秀吉の名参謀役として数々の功績を立て、入城後も大和、和泉、紀伊の3国を 治めて、知行高は百万石。天正15年に大納言に叙されてからは、「大和大納言」と 呼ばれていた。その秀長にふさわしい規模の城郭を築くため、その石垣の石にあたっては奈良の古社寺からも多く集められ、文化的遺産として価値の高い礎石や五輪塔まで持ち込まれたという。
 秀長は郡山以外での商業を禁止し、商業保護政策をとるなどして、城下町の建設にも力を注いだ。よって、当時の先進商業都市から商人が移住してつくった堺町、奈良町、今井町、また同業者同士が集まりつくったという魚町、塩町、紺屋町、豆腐町、茶町という地名が現在も残っている。「箱本十三町」の始まりもこのころのことであった。
 大事業を成し遂げた秀長も天正19年、51歳で死去。葬儀には「野も山も崩れんばかり」の人が集まったといわれている。現在も毎年4月22日には「大納言講奉讃会」の主催で管理寺春岳院と墓前で法要が営まれている。


柳沢家の郡山藩

 秀長の没後、領主はめまぐるしく変わり、ようやく落ち着いたのが、亨保九年に柳沢吉保の子である柳沢吉里が15万石余りをもって山梨の甲府より移ってから。その後、大和、近江、河内、伊勢の4ヵ国を領し、さびれてしまっていた城郭や武家屋敷も大々的に整備され、城下町も徐々に活気を取り戻した。以降、明治維新まで百四十七年間にわたって、柳沢家の郡山藩が続いた。現在、姉妹都市である山梨県の甲府市との結び付きもこの頃から。大和郡山の名物として知られている金魚も実は柳沢家の家臣が甲府より持ってきたものであると言われている。


市政施行

 明治にはいり奈良県が設置され、明治二十二年には、郡山町が成立。その後、二十九年には矢田村、昭和村、平和村、治道村を合併して大和郡山市を成立、県内では、奈良市、大和高田市に次いで3番目の市政となった。


郡山のあゆみ

1900〜1950

1902(明治35)年 郡山特産養魚組合結成
1909(明治42)年 ガス供給開始。城址に桜大増殖
1921(大正10)年4月 大阪電気軌道(近鉄)西大寺―郡山間開通
1934(昭和09)年12月 慈光院庭園、史跡名勝天然記念物に指定
1941(昭和16)年3月 筒井村、郡山に合併
1942(昭和17)年4月 上水道通水
1947(昭和22)年4月 柳沢保承郡山町長就任

1951〜1980

1951(昭和26)年11月 昭和天皇を郡山に奉迎。「体育協会」発足
1953(昭和28)年2月 「郡山町史」発刊
12月  矢田・昭和・平和・治道各村、郡山町に編入
1954(昭和29)年1月 大和郡山市制施行。水田孝夫初代市長に当選
1957(昭和32)年3月 片桐町、大和郡山市に編入
1958(昭和33)年11月 国民健康保険事業を実施
1960(昭和35)年8月 郡山城址、県の史跡に指定
10月  国勢調査人口四万三千七百八人
柳沢文庫の復活開設認可
1961(昭和36)年4月 第一回お城まつり開催
社会保険大和郡山総合病院開院
5月  庁舎落成
1962(昭和37)年8月 郡山南中学校竣工
1964(昭和39)年4月 昭和工業団地造成開始
国立奈良工業高等専門学校開校
11月  し尿処理場竣工
1965(昭和40)年6月 常設消防署発足(消防署落成)
   県下初の住居表示実施
1966(昭和41)年7月 大和郡山市史刊行
1967(昭和42)年11月 市民グラウンド(矢田山町)建設
1968(昭和43)年9月 昭和浄水場完成
1969(昭和44)年7月 吉田氏市長に初当選
11月  第一回自治会対抗婦人簡易バレーボール大会開催
12月  市の木、花、市民投票により決定(黒松・きく)
1970(昭和45)年 「公害のない緑豊かな田園文化都市」を指標に設定
4月  市民会館(旧奈良図書館)を城跡に移築開館
11月  土地開発公社設立
1971(昭和46)年 「老人福祉の年」に設定
8月  プレス式ゴミ処理施設「北部清掃工場」竣工
9月  老人福祉センター完成
郡山南・北小学校竣工
1972(昭和47)年 「青少年育成の年」に設定
1月  老人医療費七十五歳から助成
5月  母子家庭に医療費助成
平和幼稚園竣工
1973(昭和48)年 「婦人福祉の年」に設定
1月  片桐西小学校竣工
4月  片桐西幼稚園竣工
三の丸会館(中央公民館)・市立体育館完成
5月  矢田山保育所竣工
6月  市営駐車場設置
1974(昭和49)年 「スポーツ振興の年」に設定
4月  第一回自治会対抗ソフトボール大会開催
郡山西中学校竣工
7月  西田中町隣保館竣工
12月  「清涼院池グランド」オープン
1975(昭和50)年 「こどものしあわせを考える年」に設定
3月  小泉出屋敷隣保館竣工
4月  交通遺児に奨学金制度
郡山西幼稚園竣工
10月  第一回親子まつり開催
1976(昭和51)年 「心身の健康を高める年」に設定
4月  乳児保育所竣工
10月  「北グランド」オープン
1977(昭和52)年 「相手の立場を考える年」に設定
3月  野外活動センター「少年自然の家」完成
4月  郡山西小学校竣工
西公園野外ステージ完成
県営中央卸売市場オープン
5月  多目的地域社会教育施設第一号竣工
6月  新庁舎竣工
10月  国鉄郡山駅前広場完成
1978(昭和53)年 「生活に反省と創意工夫を加える年」に設定
4月  源九郎稲荷神社白狐お渡り復活
7月  勤労青少年ホーム竣工
社会福祉会館完成
12月  藺町線開通
1979(昭和54)年 「手づくりの町づくりを始める年」に設定
4月  郡山東保育所竣工
6月  第一回クリーンキャンペーン開催
新町保育所竣工
10月  新育苗圃完成
11月  第5回親子まつりで天守閣再現
近鉄筒井駅に駐輪場オープン
12月  公共下水道郡山ポンプ場竣工
筒井順慶墓、小泉城跡の史跡公園整備完成
1980(昭和55)年 「手づくりの町づくりを進める年」に設定
3月  社会福祉会館にリフト付バス贈呈
業平ランニングコース完成
新町南隣保館竣工
4月  お城まつりに「御殿夜桜」30数年ぶりに復活
郡山郵便局移転
生駒保健所が「郡山保健所」に改称
11月  三の丸駐車場オープン
郡山警察署移転
12月  近鉄筒井駅前整備完了

1981〜2001

1981(昭和56)年 「手づくりの町づくりを進める年 城と緑と
水のある町づくり」に設定
2月  健康づくりカー運転開始
3月  やまと保育園竣工
南井町隣保館竣工
9月  市営公園墓地墓地完成
10月  平端駅前広場第一期工事完成
福井謙一氏(井戸野町出身)がノーベル化学賞受賞
1982(昭和57)年  「市民文化の芽をはぐくむ年」に設定
4月  郡山駅前派出所完成
矢田南小・幼稚園竣工
10月  三の丸駐輪場オープン
文化センターオープン
1983(昭和58)年  「ふれあいで高める市民文化の年」に設定
4月  郡山東中学校竣工
6月  総合公園施設にテニスコート・クラブハウス
 完成
7月  市立休日応急診療所オープン
11月  郡山城追手門復元工事完成
1984(昭和59)年 「歴史が活きている町づくりの年」に設定
3月  最終処分場施設竣工
6月  三の矢塚整備完成
7月  市営球場開場
8月  靴工場団地竣工
10月  わかくさ国体開催(硬式テニス・ソフトボール・馬術)
11月  追手東隅櫓、多聞櫓が完成
1985(昭和60)年 「歴史が活きている町づくり-築城四百年」
 に設定
3月  昭和保育所竣工
4月  新町児童館竣工
条里の森完成
5月  南部公民館竣工
6月  福祉タクシー制度を実施
11月  築城400年記念親子まつり(修羅引・町かど芸能など)
清掃センター竣工
1986(昭和61)年 「緑の中にある町づくりの年」に設定
4月  「緑のパトロール」発足
文化体育振興公社設立
片桐中学校竣工
8月  昭和地区公民館竣工
9月  身障者専用グランド完成
10月  サンライフ大和郡山完成
1987(昭和62)年 「緑の中にある町づくりの年Part
〜くらしに緑を活かす年」に設定
3月  清涼院池公園完成
追手東隅櫓、多聞櫓が完成
7月  総合公園施設多目的体育館完成
8月  市遺跡地図作成
1988(昭和63)年 「くらしに緑を進める年」に設定
10月  片桐地区公民館竣工
1989(平成元)年 「緑とうるおいのある町づくりの年」に設定
4月  シルバー人材センター発足
5月  郡山大橋(北廻り線)竣工
6月  阪奥明氏市長就任
8月  住民記録オンライン・システムがスタート
1990(平成2)年 「心豊かな文化の香り高い町」を指標に設定
5月  郡山城址公園「さくら名所100選」に認定
7月  九条公園・九条スポーツセンターオープン
11月  特別養護老人ホーム「瑞祥苑」に大和郡山市
 ディ・サービスセンター開設
日本初の空缶(空びん)プレスカー
 「かんびん丸」導入
1991(平成3)年 「限りある資源を大切に!」を重点テーマに
 設定
3月  水道局新庁舎竣工
小泉町出屋敷コミュニティーセンター竣工
第一回ごみニケーション大会開催
10月  治道地区公民館竣工
12月  羅城門橋(城廻り線)開通
1992(平成4)年1月 山梨県甲府市と姉妹都市締結
4月  長寿者褒賞制度スタート
6月  愛の訪問活動スタート
8月  食用廃油からせっけんを作る「せっけん丸」を導入
10月  郡遊回廊コース設定
1993(平成5)年3月 公用車に電気自動車導入
衛生センター竣工
4月  近藤ふれあい会館オープン
10月  平和地区公民館竣工
1994(平成6)年4月 老人福祉センター改装オープン
1995(平成7)年4月 保健センター「さんて郡山」オープン
7月  外堀緑地が建設省の「手づくり郷土賞」を
 受賞
8月  第1回全国金魚すくい選手権大会
1996(平成8)年1月 70歳以上の人におげんきふれあいカード・
  バスカード配布開始
3月  秀長百万石まつり(〜6月30日)
10月  第1回金魚サミット(長洲町)
1997(平成9)年3月 JR郡山駅舎歩行者専用通路開通
4月  ペットボトルリサイクル施設稼働
5月  防災センターオープン
1998(平成10)年4月 東隅櫓ギャラリーオープン
情報公開制度スタート
8月  女性消防団「ファイアレス」発足
1999(平成11)年2月 市内で出土した日本最古の貨幣「富本銭」の展示
3月  地域振興券交付
藺町線(矢田町通〜紺屋町間)開通
文化センター閉館
8月  語り部祭り
12月  (仮称)文化総合施設工事着手
2001(平成13)年6月 やまと郡山城ホール完成



copyright(c)2000〜2001 PRfinearts printing co.ltd.
all rights reserved.